西洋から入ってくる「テクニック」という知識は、コントロールする傾向がすごく強い。
人に対しても自然に対しても。
心理カウンセリングにおいても、キリスト教の下地がありますから、「助けてあげよう」「変えてあげよう」という教えがすごく強い。
そういう圧迫感をなんとなく感じるから患者がつらくなってくる。
あるいは、コーチングや自己啓発にしても、「モチベーションをあげてみせる」とか、「こうすれば人は変われる、人は動く」とか、そんなのばかりです。
中国や日本の思想は「自らその域に達すれば、おのずと変わる」というものですから、
もともと人をコントロールする考えがありません。
そういう中国や日本の自然体である世界に、コントロール性の強い西洋の思想が入ってくれば、どうしても「人をコントロールして動かす」という考えのほうがわかりやすく効果的に感じられますから、世の中で優勢になりがちです。