私たちは自分のこともたいしてわかっていませんし、身近にいる人、たとえば親や友人のこともあまり知りません。
親や友人のことなら知っているように感じますが、実際には、どのように生きてきたかなんて尋ねたことがないですから、ほとんど知らないといっても言い過ぎではないでしょう。
ただ、一緒に暮らしていたり、一緒に遊んだりしているから、なんとなく分かっているような気になっています。
そういうあまり知らない間柄で、仲良くいたり、時には喧嘩したりしています。
喧嘩するのは互いの意見が合わないとか、相手の気持ちを考えていないとか、そういうことがありますね。
そしてあまりもに相手のことが理解できなくなってくると失望することになってきて、一緒にいるのも嫌になってくる、という感じになります。
失望したり嫌になってしまうのは仕方がないと思います。
ただ、ロボット工学博士の石黒浩さんが以前こんなことをおっしゃっていました。
「アンドロイド研究の過程でより深い人間に対する知識が得られた。そして分かってきたのは、人間とはいかに複雑なものかということです。」
「時々人間に失望している人がいますね。僕は言いたいんですよ。もっと人を勉強してみてくださいと。人間がいかによくできているか。複雑で奥深いか。それが少しでも分かってくれば、人は人間に失望したりしないですよ。」