心を病んでいる人が来られた場合、心理療法では、その人の○○病というものを治すのではなく、その人の状態・全体を診て治していきます。
その人が現在どういう精神状態であるのか、どのような心理でいるのか、何が必要であるのかをその都度判断しながら何をするのを決めていきます。
ですから治すにあたって、これをして治していくといった事前に決まった内容はありません。
もちろん、治す方針や枠組みはありますけれども、医療のようにこの手術をするとか、この点滴を打つといった具体的で明確な治療のようなものはありません。
病んでいる人の苦しみやつらさを聴いていくことによって、その人を理解していこうと努め、それによって治す仕方がみえてきます。
そうすると、それに伴って本人も自ら治す力を発揮しはじめます。