健康でいる時期には、人から何か言われてもあまり聴く耳をもたないものです。
お酒をたくさん飲むなと言われてもたくさん飲みますし、頑張るなと言われても無理な生活をします。
言葉づかいに気をつけなさいと言われても軽々しい言葉を使ったりします。
いくら正しいことを言っても受け入れてもらうことは非常に難しい。
それでも若者なら、これから成長していくのだからということで大目にみてもらえますが、大人でこういう状態ですと大変です。
生活態度をあらためないと心身の具合が悪くなる言われても、なんだかんだ言い訳をして「できない」と言い張ったり、そういうことをしていると人間関係が悪くなると言われても、怒りを制御できずに相変わらず人と衝突していたりする。
大人がこういう状態ですと手に負えないですから、周りにいる人は相手にしなくなります。
いくら常識や正しいことを説いてもダメなのですから言うだけ無駄で、この人と関わるのをやめようと考えるからです。
大人でこういう人たちは可哀相です。
これまで生きてくる間に色々と何かがあったことは間違いありません。
それゆえ自分の意見や主張を曲げられなくなっています。
そして、そういう人たちが健康でなくなった時、私たちのような心理臨床家がその人とじっくり向き合って、本人自ら自分を変えていくようになるまで根気強く付き合っていきます。