「悪の報いは針の先」という諺(ことわざ)があります。
相手に悪いことをしたり、相手が嫌がることをすればその報いは針の先を回るほど速く自分の身にやってくる、という意味です。
ほとんどの人はそのことを身に染みてわかっていますし、そもそも、相手に悪いことをしてやりたいと考えている人はほとんどいないでしょう。だから、相手が嫌がることをしないようにしています。
ところが、相手から被害を受けたり、自分が嫌な思いをした場合は、「自分が悪いわけではなくて相手が悪いから仕返しをするのだ」と考えて、毒を吐いたり貶(けな)したりします。
そうやって「自分が悪い」ことをしても、これは相殺されることだから、悪いことが自分の身にやってくることはないと考えるわけです。