うつ病と診断されますと、うつ病を治すことに意識が集中します。
うつ病をどうやったら治せるのか、どこに行ったら健康に戻してくれるのか、いつになったら良くなるのかなど、色々と生じてくる“問い”に対して早く結論を出すことに囚(とら)われがちになります。
そうした意識の集中が「早く治さなければ」といった焦りを生み出し、症状をより大変にしていってしまいますので、その焦りを緩和していくことが大事です。
そしてその際に、患者本人の状態を個別のこととして考えていくことが大切です。
うつ病といっても発症要因や精神状態は人それぞれ違いますから。
うつ病という一般化された状態を考えるのではなく、患者本人をみて、何に悩んでいて何に困っているのか、そして本人は心の奥では何を望んでいるのかを考えていくことで、治る道筋が見えてきます。