人から「相談を受ける」という行為は、誰でもできるものと安易に考えてしまいがちです。
友人も他人の相談を受けているし、自身もそれなりに経験を積んでいるので、助言ぐらいはできると考えてしまいがちです。
それで気軽に人の相談を受けるのです。
しかし相談を受けるためのきちんとした訓練を受けたことがある人はほとんどいないと思います。
それゆえ、相手の話を聴いていて、自身の考えと合わない話や気に食わない話、呆(あき)れるような話が出てくると、相手の発言をさえぎったり話題を変えたり、または説教をしてしまいがちです。
善悪に関することや、道徳、行儀・作法に反するようなことならなおさらです。
相談を受ける行為は、どんな話の内容であれ、相手が話すのを聴き通すことが前提であります。
そうでなければ相談にはなりません。
さらに、正しい回答を答えれば良いというものでもありませんし、どんなことをどのタイミングで言うかも考えなければいけません。
「相談を受ける」ことは簡単そうにみえて難しいことですから、相当の訓練が必要です。