「こころもからだも磨く」なんて世間では安易に言いますけど、こころを磨こうと思ったら何年、何十年もかかりますからとても大変なことです。
からだを磨くのは運動したりスポーツをしたりして体を鍛えたり、また生活態度や食生活を改善したり、あるいはエステに通うなどして、自分が変わっていくのを割合早く実感できます。
ところが、こころは毎日磨いていてもそうそう変化を実感できませんから、途中でやめたくなってきます。
そもそも、こころを磨くというのは「浄化したり、欲を捨てる」ことではありません。
「いい人」や「素敵な人」、または「徳のある人」「品格のある人」になることでもありません。
自身のこころに映り込んだ世界を見ていくことです。
こころを磨いていきますと、ガラス玉にまわりの風景が映り込むように、これまで映らなかった様々なものが映り込み始めます。
磨けば磨くほど、まわりの世界が鮮明に映ります。
そうなることによって、人間というものや世界というものを広く深く知ることになります。