何かをする時には誰でも、自分にとって得することや益(えき)になることをするのであって、わざわざ損することや害になることをする人はまずいないはずです。
ですから、自分が「これをしよう」というときは、それは自分にとって“良いことである”と考えていることになります。
物を買うにしろ、遊んで楽しむにしろ、何かを言うにしろ、誰かと付き合うにしろ、これは自分のためになると考えている。
ところがそれでも、失敗したとか間違ったということが起きます。
それはつまるところ、その時はそれを「良い」と思えたことであったけれども、今となってみればそうじゃなかったと思える、とそういうことです。
そういうことは人生のなかで何度も生じますし体験します。
ですから、たとえ「おかしい」ことでも、自分にとっては「良い」と感じられれば、疑いもせずにその「おかしい」ことをしてしまいます。