DV(暴力)を受けている人たちのなかには、暴力をふるう相手から逃れる人もいますが、暴力に対抗し、耐え忍ぶ人もいます。
(恐怖で逃げられない人や、服従(従順に)させられている人のことではありません)
周りの人たちから「そんな相手なら別れればいいのに」と言われても別れないでいます。
なぜなら、“踏ん張って耐えていること”が、本人にとって精神安定の砦(とりで)となっているからです。
もちろん、相手をまだ好きでいるからという理由もありますが、それよりも“困難に負けない自分でいる”ことが、自身の存在を支える基盤になっているからです。
本人にとっては強い自分の証明をしなければならないのです。
また人によっては、つらさに堪え忍ぶことが、本人が昔から抱えている罪悪感の罪滅ぼしのためだったりすることもあり、自身の存在意義を感じられる一つの手段になっていることもあるので、他人からの「別れたら?」という忠告は本人にとって問題の解決にはなりません。