健康な状況で育ちますと、愛というのは、内から徐々に外に向いていきます。
言い換えれば、自分が好きという状態から、他人を愛するという行動に移っていきます。
ところが、苦しい状況が続いたりすると、愛が外に向かないで、また内に向くようになることがあります。
それが心の防衛機能であり、他人に愛を向ける余裕がなくなった時には、自身に愛を向け戻します。
そして、さらにいっそう余裕のない状況におちいると、とくに児童や若い人の場合、自身の身体に愛を向けるようになります。
無自覚に自身の身体に愛を向けることで、なんとか精神を安定させようとします。
たとえば指を口の中に入れたり爪噛みをするとか、化粧を濃くして素顔を隠すとか整形をするとか、極端に痩せるとか筋肉をつけるとか、そういう行動が起こります。
しかし、それでも精神の安定を図ることができないと、タバコや過食、タトゥー(刺青)、過度の飲酒、リストカットなど、自身の身体を傷つける行為に発展することがあります。