心の扱いはとても難しいものです。
抑うつも神経症も含め、心の苦しみは脳にも原因があるのだから、薬で治す方がずっと効果的で早い、と言われることがあります。
仕事をしている人はなおさらで、毎日忙しいですから、時間のかかる「精神分析」のような心の成長を促す治療法よりも、パッと飲める薬の方を選択する人がほとんどです。
現代はそういう時代ですから、それも仕方ないとは思います。
ただ、症状とは自分を守るために出ているものであるということが忘れられ、単なる病気と捉えられて除去してしまい、症状がなくなったはいいけれど、性格や人格は変わっていないために、人づきあいや社会参加がうまくいかずに苦しんでいる人は非常に多くいます。
「今はいい薬がある」といっても、その人の感じ方や生き方が変わるわけではありません。