心が病んでいる状態や精神症状を治していく際には、具合が悪くなった経緯や、本人の人生の歩みついて十分にお聴きしています。
そういうことをお聴きしていますと、相手のことがよくわかり、治療者の“治してあげる”といった態度が間違っていることに気づきます。
最初は“治してあげる”といった態度でいても、話をお聴きしている間に、その人がこれまでどれほど踏ん張ってきたか、どれほど努力してきたか、どれほど無理や我慢をしてきたかがわかってきますから、その人を尊重する態度に変わってきます。
治療者がそうした態度になることによって、相手の“わかってもらえなかった苦しみ”が救われてきます。